
1.回想法活動のご紹介(令和7年度)
回想法活動の取り組み①「昭和の散歩道」
『昭和の散歩道』は、2019年7月にスタートした回想法の単発講座です。戦後の昭和時代を年ごとに振り返り、映画やテレビ番組、流行歌などを題材に、参加者同士が当時の思い出を語り合う場となっています。戦後の暮らしから高度成長期、安保闘争、オイルショックなど、時代を共に歩んできた仲間が集い、時事ネタを深掘りしたり、疑問点をその場でスマホで調べたりと、自由で活発な交流が生まれています。
昭和にまつわるクイズも毎回好評で、 「誰もが気兼ねなく話せる場所」をコンセプトに、和やかで賑やかな時間が続いています。
『昭和の散歩道』
毎月第三木曜日 13:30~15:00
(定員 17名)


【『昭和の散歩道』の様子】
回想法活動の取り組み② くらぶ6・5(認知症予防教室)&「回想法って何だろう」
くらぶ6・5では、各クラスで3ヶ月に一度、リーダーによる回想法を実施しています。また、そのうち4回は、くらぶ6・5のメンバー以外の方にもご参加いただける機会を設けており、事前予約制で受け付けています。
【内容例】
〇手話が得意なリーダーが、回想法の一環として手話ソング『ふるさと』を実践しています。手の動きで歌詞の情景を表現することで、参加者の郷愁や原風景の記憶が呼び起こされ、回想法へと自然につながる温かな時間となっています。
〇1月のとある回想法では、「冬の防寒・暖房・寒さ対策」をテーマに進めました。その中で、参加者の一人が、薪でお風呂を焚いていた頃の思い出を語ってくださいました。「お湯がぬるいから、薪を入れて」と父親に声をかけられた場面がふとよみがえり、「久しぶりに父のことを思い出せてよかった」と、とても嬉しそうに話されていました。


【くらぶ6・5での回想法の様子】
回想法活動の取り組み③ 外部派遣
令和7年度外部派遣件数 計4件(R7.12現在)
地域サロンでは、運動会や遠足、雨の季節、秋の食べ物といった季節にまつわるテーマを取り上げながら、参加者の思い出を引き出してきました。さらに、回想法だけに偏らず、手話、歌、脳トレといった多様な活動も組み合わせることで、心身の刺激や楽しさが広がる時間づくりを心掛けました。こうした複数の要素を取り入れることで、参加者が無理なく参加でき、自然に会話が生まれる雰囲気づくりにもつながっています。
また、その日のテーマと関連づけながら「回想法とは」という概要説明を行う工夫も取り入れ、活動の意図や意味を分かりやすく伝えるようにしています。さらに、幼児期・学童期・青年期といった発達段階に着目し、それぞれの時期に経験する食べ物や行事、遊び、娯楽などをテーマにすることで、より幅広い世代の参加者が思い出を語りやすくなっていると感じています。
2.回想法活動が役に立っていること
活動を続ける中で、「この取り組みは自分自身にも役立っている」と感じる場面が多くあります。事前準備をしている段階から、気が付けば自分の認知症予防になっており、活動そのものが私たちリーダーの健康づくりにもつながっていると実感しています。また、参加者の話をつなげたり、思い出を引き出したりする過程は、私たち自身の良い訓練にもなり、進行スキルの向上にもつながっています。
さらに、活動を通して、参加者それぞれの人生の歩みや価値観に触れられることは、回想法の取り組みの大きな魅力だと感じています。
そして、世代や個人の違いを尊重する姿勢が自然と身につき、人の話に耳を傾ける大切さを改めて学ぶ機会にもなっています。また、参加者のお話を伺いながら、自分自身の幼少期の出来事がふとよみがえることもあります。「ああ、そうでしたね」「そんなこともありましたね」と、忘れていた記憶や懐かしい情景が戻ってくる瞬間が多くあり、リーダーとしての活動が自分自身の回想にもつながっていると感じています。
3.回想法を行う上で工夫していること
活動を進める上での工夫として、参加者の年代に配慮した、どなたにも関わりのあるテーマを選んだり、全員が発言しやすいように声をかけるようにしています。話題が多少逸れても広がりとして受け止め、臨機応変に対応することを心掛けています。また、年代や地域、生活体験、興味の違いなど、参加者の多様性をできるだけ考慮した取り組みを行っています。
進行にあたっては、リーダーと発表者だけのやり取りにならないよう、参加者全員で会話のキャッチボールができる雰囲気づくりを大切にしています。「皆さんに問いかけるように話してください」「発表者の話に思いをのせてください」といった声かけも行っています。
さらに、回想法を始める前に懐かしい唱歌を合唱し、気分をほぐしてからテーマに入る工夫も取り入れています。絵を一枚ずつ見せながら思い出を引き出す方法や、唱歌を合唱して声を出す準備をするなど、楽しく回想に入れるように、それぞれのリーダーが工夫を行っています。
4.回想法を行う上で課題になっていること
参加者全員が自然に参加できる雰囲気づくりや、アイスブレイクの工夫が必要と感じています。また、グループを分けて実施する際は、会場の広さによって声が干渉し合う為、環境に応じた工夫が課題となっています。
また、話すことが苦手な方への配慮や、年代差によるテーマの調整も難しさの一つです。戦争体験など深いテーマでは全員で共感することが難しく、話し手が遠慮してしまう場合もあります。テーマ選びは毎回悩みどころで、リピーターへの配慮や、思い出したくない記憶への対応など、慎重な判断を求められています。
さらに、リーダー同士で悩みや活動内容を共有する場がなく、参考にできる情報が少ない点も課題と感じています。
5.今後の取り組み
今後は、回想法の依頼に具体的なテーマの希望があれば伺い、事前準備をして対応していきたいと考えています。雑談の中から参加者自身に話題を出してもらう方法も検討していこうと思っています。
また、昔の遊びを実際に取り入れてみたり、スター写真の活用、手話ソングに懐かしい曲を増やすなど、テーマの幅を広げる工夫も進めていきたいです。テーマの選択肢を増やしていくことは、リーダー自身が新鮮な気持ちで取り組むためにも今後の課題としていき、参加者全員が輪になって盛り上がれる場づくりを目指していきたいです。
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